パン屋さんやケーキ屋さんなどにある大きなオーブン。
パン・ケーキが好きな方や開業されたい方は必ず目にしたことがあるのではないでしょうか。


今回は業務用の「デッキオーブン(平窯)」についてご紹介します。
目次
デッキオーブンの特長
特長1 蓄熱
デッキオーブンには庫内の上と下にヒーターがついており、それぞれを「上火」「下火」と呼んでいます。
デッキオーブンの庫内は温度の下がりにくい構造になっており、この蓄えた熱=蓄熱でパンやケーキを焼いていきます。

デッキオーブン庫内のイメージ
特長2 スチーム焼成
ハード系のパンは蒸気をかけてしっかり焼き込むことで独特なパリッとした皮目に仕上がります。
デッキオーブンはキメの細やかな蒸気と高温の窯でしっかりと焼き込むことができるのでハード系のパンがおいしく仕上がります。
※蒸気が発生しないオーブンもありますのでご注意ください。

キメ細かい蒸気がパンにかかるイメージ
特長3 熱量調整
機種によりますが、海外製は大体3段階、日本製は8または10段階で熱量を調節できるものが多いです。

オーブンのパネル拡大図
その微妙な熱量調整(パワー・熱量・リミット・火力…と各メーカーによって色々な呼び方があります。)によって焼き色などの仕上りも作り手の思いのままに実現します。

熱量調整のイメージ
得意不得意はある?
得意とするもの
パン・ケーキ生地全般。ほぼ何でも焼くことができます。
ケーキ類は食材のもつ水分をしっかり閉じ込めて焼き上げるのでしっとりフワフワ食感が実現します。
また、パン類においても先に紹介したハード系のパンはもちろん、ふっくら焼き上げたい菓子パン類も輻射熱でパンが乾燥することなく、とてもふんわりとしたパンになります。
特にアンパンなどの菓子パンを見ると「ホワイトライン」がありますが、これはデッキオーブンで上下の火でしっかり焼いた証です。
苦手とするもの
逆に苦手というか不可能なものは蒸しパンです。
蒸しパンは常に蒸気をあてて蒸し焼きをすることが重要です。
デッキオーブンは常に大量の蒸気をあてて蒸し焼きは出来ないので、蒸しパンは蒸し器やセイロで作りましょう。
デッキオーブンのメリット・デメリット
メリット
・自分の思い通りの物が焼ける
・焼きムラがほぼ無い
・壊れにくい
・焼けないものはほぼ無い
デメリット
・初心者は慣れるまで時間がかかる
・営業中はずっと電源を入れておかなければならない
・本体が大きいものが多く、場所が限られる
・初期コストが高い
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これを読んだあなたはちょっとデッキオーブンが欲しくなったかもしれません。
私自身もスペースと予算があれば必ず欲しいオーブンです!
何度も言いますが、デッキオーブンは熱量調整が重要となってきます。
初めてデッキオーブンを使用する方は慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、使いこなせばもう他のオーブンには戻れないくらい素晴らしいオーブンですので沢山経験して使いこなしてみてくださいね!
