今回は大変質問の多い、業務用のミキサーについてご紹介します!
ミキサーの役割は材料を「混ぜる・捏ねる・うちつける・のばす」です。
それらを担う生地作りでは重要な業務用ミキサー。大きく5種類あります↓
- 縦型ミキサー
- スパイラルミキサー
- ダブルアームミキサー
- 卓上ミキサー
- (おまけ)ニーダー
それぞれを紹介していきます!
縦型ミキサー
〇向いている物・メリット
・生地を打ちつけてグルテンを引き出しやすい
・菓子パン等
△不向き・デメリット
・生地温度が上昇しやすい
☆生地を捏ねる力強さ
混ぜる | ★★★☆☆ |
捏ねる | ★★☆☆☆ |
うちつける | ★★★★★ |
のばす | ★★★★★ |
一般的に菓子パンはソフトでふっくらとしたボリュームのあるパンが人気があります。そのためにはやわらかく伸びのいい生地を作る事が大切になります。
生地を柔らかくするには水分を多くすればいいのですが、伸展性のある生地に仕上げるにはミキシングの段階で十分に生地の中のグルテンを引き出し、強化する必要があります。そのために高速回転で生地を回しミキサーボールにたたきつけながらグルテンを引き出す力強さが必要です。
コート(クォート)とは?
液体の単位であり、1コート=0.946リットル。つまり、約1リットルです。
15コートミキサーで 生地量MAXは 粉対比約2㎏
20コートミキサーで 生地量MAXは 粉対比約3㎏
30コートミキサーで 生地量MAXは 粉対比約5㎏
60コートミキサーで 生地量MAXは 粉対比約15㎏
スパイラルミキサー
〇向いている物・メリット
・グルテンはあまり強く引き出さない。
・ハード系パン・食パン
・生地温度は上がりにくい
△不向き・デメリット
・清掃が大変
☆生地を捏ねる力強さ
混ぜる | ★★★★★ |
捏ねる | ★★★★☆ |
うちつける | ★★☆☆☆ |
のばす | ★★★☆☆ |
フランスパンなどに代表されるリーンな配合のパンは、ふっくらボリュームではなく、しっかりとした噛み応えのあるパンが求められます。つまり、菓子パンに比べると伸展性は必要とされていません。
縦型ミキサーのように強く打ち付けるタイプのミキサーより、生地をこねる・揉むタイプのものが向いています。
ボールも回転するので摩擦が少なく、生地を傷つけにくいことが特徴です。
ダブルアームミキサー
〇向いている物・メリット
・グルテンはあまり強く引き出さない。
・生地温度は上がりにくい
△不向き・デメリット
・清掃が面倒
・伸びの良い生地は作りにくい
☆生地を捏ねる力強さ
混ぜる | ★★★☆☆ |
捏ねる | ★★★★★ |
うちつける | ★☆☆☆☆ |
のばす | ★☆☆☆☆ |
二つのアームで手ごねのような優しさで捏ねることができます。生地を打ち付けたり、こすりつけることが無いので、生地温度が上昇しにくいことと、レーズンなどのつぶれやすい材料もふんわりつぶさずに混ぜながら捏ねることができます。
卓上ミキサー
〇向いている物・メリット
・粉対比1.5Kg以内の少量の生地作り
・試作など
△不向き・デメリット
・ボールが小さいので生地温度が上がりやすい
☆生地を捏ねる力強さ
混ぜる | ★★☆☆☆ |
捏ねる | ★★★☆☆ |
うちつける | ★★★★☆ |
のばす | ★★★☆☆ |
少ない量の生地を手軽に捏ねることができます。
卓上ミキサーによっては固いパン生地を捏ねすぎたり、長時間使用するとモーターが熱をもって壊れやすいタイプもあるので注意しましょう。
(おまけ)ニーダー
〇向いている物・メリット
・安価
△不向き・デメリット
・生地が出来上がるまで時間がかかる。
☆生地を捏ねる力強さ
混ぜる | ★☆☆☆☆ |
捏ねる | ★★☆☆☆ |
うちつける | ★☆☆☆☆ |
のばす | ★☆☆☆☆ |
家庭用ミキサーとしても使用されるニーダーはボールの中に小さな羽根がついていて、くるくる回転することで生地を混ぜ合わせます。通常のミキサーの2倍程の時間がかかり、伸展性のある生地は作りづらいのでそれらを踏まえた上で使用しましょう。
まとめ
以上がミキサーの紹介でした。
ミキサー選びのポイントは、
・どのような生地を扱うのか
・1日にどのくらいの量を仕込みたいのか→1回分の仕込み量
・予算
・設置場所
によって選定が変わってきます。
商品構成や生産量をできるだけ具体的にイメージして最適なミキサーを選定しましょう。