豆知識

パン作りにおける「パンチ」って何?



 

今回は製パンの「パンチ」についてお話します。

くまきち
聞いて聞いて!ぼくさ、前に店長に「パンチして」って言われたからパン生地にグーでパンチしちゃったら、店長に笑われたよ~

 

ははは。パンにおいての「パンチ」とはボクシングのようなパンチではなくて、 発酵の途中で生地を押しつぶし、また発酵させる 工程のことを言います。
ME

 

くまきち
そっか~。パン作りの「パンチ」があるのね~。

 

レシピには「パンチ」や「P」と書いてあったりしますが、これは必ず必要な工程です。
ME

 

では、なぜその工程が必要なのか(3つ!)

1、パンの生地中にある炭酸ガスなどを含んだ大きな気泡をパンチすることによって潰し、また小さい気泡に分散させる。

➡ガス抜きの効果でパンのキメが細かくなる!

 

2、生地をつぶすなどの力を加えることによって生地中に網のようになっているグルテン組織を直接刺激してグルテンを強くする。

➡パンがよく膨らんでパンのボリュームが大きくなる!

 

3、たまっていたアルコール類を出し、新たに空気中の酸素を混ぜ込むことでイーストの活性を強めることができる。

➡炭酸ガスの発生が多くなり、パン生地の発酵を促進しパンのボリュームを大きくするのに役立つ!

 

 

くまきち
そっか~。パンチの作業にもちゃんと意味があったんだ~。

 

ちなみに、パンチするときのコツもありますよ!
ME

 

コツ1★発酵のピークに行う。

➡飽和状態になっている炭酸ガスをガス抜きすることでイースト活動を再開し、発酵が更に促進される。

 

コツ2★捏ねない。

➡捏ねるとせっかくできたグルテンの網目も破壊してしまうので絶対に捏ねない。(捏ねる作業はミキシング以外はいらない☆)

 

コツ3★あくまでも膨らんだ生地を押しつぶしてたたむような感覚。

1.膨らんだ生地の発酵具合をチェック

2.四方から折りたたむ

3.裏返してつるっとさせる

空気が押し出されてパンチ前よりも一回り小さくなる

 

一般的には「パンチ」は菓子パン等のリッチな生地ではあまり行うことはなく、フランスパンやハードパン、食パンの一部などのリーンな配合のものの場合にパンチをすることが多いです。
ME

 

くまきち
よ~し!これでパンチが良く分かったよ~!これでもう店長に笑われないぞ~!!

 

  • この記事を書いた人

はなまる

旅するパティシエ。 自分の好きな食、旅、ガジェットなどを通して 「あとちょっと知識を深めたい」という思いでブログを書いています。 自分の書いた文章が誰かのお役にたてますように。

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