パン屋さんやケーキ屋さんなどにある大きなオーブン。
パン・ケーキが好きな方や開業されたい方は必ず目にしたことがあるのではないでしょうか。
目次
コンベクションオーブンの特長
特長1 対流式で熱伝導GOOD
コンベクションオーブンは庫内に扇風機のようなファンがついていて、その風の力で焼いていきます。(対流式オーブン)
デッキオーブンが上下火の設定が2つあったのに対して、基本的には温度設定は庫内温度の1つであり、風量調節ができるタイプが多いです。
風の力で庫内に熱風が全体的に巡るため、デッキオーブンに比べて熱伝導が高く、素早く中心まで加熱されるので短時間でパンやケーキを焼き上げることができます。
特長2 大量に焼ける
1つのオーブンで天板が複数枚投入できるタイプが多く、一度に多くを焼成することができます。
しかし、全段に天板を投入するとオーブンに負荷がかかったり、風がいきわたりにくくなったりするので焼きムラが比較的で発生しやすくなります。
その場合はオーブンの上段下段や手前と奥を差し替えることが必要になる可能性もあります。
また、差し替えを極力したくないのであれば天板に一度に投入する個数を少し減らして風当たりを良くしてあげてもよいでしょう。
特長3 温度の上下が簡単
コンベクションオーブンは蓄熱性が低いので温度の上げ下げが簡単です。
予熱も5~10分程で完了します。
例えば「100℃でメレンゲの乾燥焼をして、次にすぐ290℃でピザを焼きたい」なんて時もすぐに温度が上げて対応することができます。
つまり温度を気にせずに1つのオーブンで沢山の種類の商品を焼くことができるのがコンベクションオーブンです。
得意不得意はある?
得意とするもの
サクサク食感
力強いファンの力で水分が飛びやすい=クッキーやデニッシュなどの食感がサクサクするものの焼成が得意です。
特にデニッシュやクロワッサンなどは生地がふわっと軽く仕上がります。
型物
型に入ったものも熱伝導が良く中心まで火が伝わるので素早く焼けます。
苦手とするもの
(皮が固い)ハード系のパン
ハード系のパンは高温の蓄熱性の良いデッキオーブンでキメ細かな蒸気を吹きかけじっくり焼き上げることが大切なのですが、
コンベクションオーブンの庫内は蓄熱性は良くなく、蒸気も出ないものやあまり質が良いものを出す機種は少ないです。
また、熱の伝わり方が機械によって癖があるため、クープがうまく開かなかったり、生地がよれてしまうことがあります。
パン屋さんに売っているようなフランスパンなどのハード系のパンを目指している方は少々苦戦するかもしれません。
湯煎焼きをするもの(プリンを除く)
スフレチーズ、台湾カステラなどはじっくり蓄熱で焼くデッキオーブンが主流です。コンベクションオーブンだと熱の伝わりが早すぎて生地が一気に持ち上がって生地が裂けてしまったり、しぼんでしまうのであまりお勧めしていません。
ふんわり小物パン
ふんわりとした菓子パンや総菜パンもホワイトラインが出しにくいので見た目での「ふんわり感」は出しにくいです。
しかし、パン自体は焼けるので仕上りの好みによるところが大きいです。
コンベクションオーブンのメリット・デメリット
メリット
・操作が比較的簡単なものが多い
・一つのオーブンに天板が沢山入るので量が沢山焼ける
・デッキオーブンよりは安価なものが多い
・使用しない時は電源をOFFしておける
・素早く焼ける
デメリット
・対流で焼いているのでどんな機種も焼きムラは少なからず出る
・焼きづらいものもある程度あるので、癖を熟知して工夫して対応する必要がある
・熱量の微調整が出来るものがあまりないので、生地作りや仕込みを工夫する必要がある
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これを読んだあなたはちょっとコンベクションオーブンが欲しくなったかもしれません。
私自身はコンベクションオーブンかデッキオーブンどっちか一つ選びなさい!と言われたら万能なコンベクションオーブンを選ぶでしょう。
何度も言いますが、コンベクションオーブンは風を対流させて焼くので熱の当たりが強く、必ず癖があります。
しかし、使いこなせば使いこなすほど楽しくなるコンベクションオーブンはきっとあなたの商品作りの相棒となること間違いないでしょう!