L3 M4 ↓ L3 MH4 ↓ L3
目次
ミキシングのサイン
以前、パン生地を作るときには捏ね上げ温度に対して仕込み水の温度をしっかり管理することが大切とお話しました。
ここで使用するのが業務用ミキサーです↓↓↓
こちらのパネルを拡大するとこんな感じになっています↓↓
これは愛工舎のミキサーですが、その他の会社のミキサーも大体似たような感じです。
そして、先ほどのアルファベットは何かというと…
L(Low 低速)・・・1速
M(Middle 中速)・・・2速
MH(MiddleHigh 中高速)・・3速
H(High 高速)・・・4速
例)L3 M4 ↓ L3 MH4 ↓ L3
=1速3分 2速4分 油脂を入れる 1速3分 3速4分 副材料(クルミ・レーズンなど)を入れる 1速3分
※↓矢印は基本的に材料を入れるサイン。2回目の↓は副材料。
そもそもミキシングとは
ここでは基本的なミキシングについてお話します。
ミキシングとは粉と水を捏ね合わせることです。いかにうまく材料を馴染ませるかによって生地のおいしさに影響します。
L2~3:水+粉=水和 がはじまる
M4~6:☑固さ・材料の確認 ☑水分調節
↓ 油脂投入
L2~3:水+油=乳化 がはじまる
M4~6:仕上げ、生地をなめらかに
(↓) 副材投入
一般的に菓子パンなどではこのような流れで生地をまとめていきます。
L2~3
・粉気が水気を吸い上げる→一塊の生地になる段階。
グルテンの形成は少なく、生地をつかんで引っ張るとぷっつり切れる状態で生地表面もべたべたしている。
M4~6
・水切れ段階=べたつきの元である生地の表面についている水分子が生地に吸収されていく。
→生地表面のべたつきがなくなり、すべすべしてくる。
・中速で生地を捏ねることでボウルの中でグルテンが引き伸ばされる工程。
↓ 油脂投入
・油脂投入前の6~9分でなるべくひとまとまりの生地にする。
・油脂にはグルテン形成を阻害する作用があるので、ある程度グルテンが形成されたタイミングで油脂を投入している。
・生地表面のべたつきがある状態で油脂を入れると水が油脂をはじきあってべたついた生地になるので注意。
L2~3
ここで油脂と水をあわせて乳化していく。
M4~6
回転速度を上げ、グルテンを引き出してなめらかな生地に仕上げる工程。
生地を見極める目安
ミキシングによって生地がひとまとまりになったら、生地の様子を観察していきます。
☑ボールに生地がへばりついていない
☑触って温度が極端に冷たかったり高かったりしない
☑ソフト系は生地の表面がつるっとしている。ゆっくりのばすとよくのびる(薄い膜が張る)
☑ハード系は少しざらつきはあるが、しっかりひとまとまりになって水分を保持している。(薄い膜はほぼ張らない)
ミキシングオーバー(オーバーミキシング)
ミキシングで生地を捏ねすぎてしまった事。
グルテン構造が引き伸ばされたり切れたりするために生地の弾力性が失われ、ベタベタした状態になってしまうのでミキシングのしすぎには注意。グルテンが引き伸ばされすぎて発酵に影響を及ぼします。
生地のミキシングのしすぎには注意しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ミキシングの中でも回転速度によって摩擦温度や生地に与える影響があることがわかりました。
ミキサーの特性やレシピをよく理解しておいしい生地作りをしていきましょう。